今回は純広告の由来とその歴史についてまとめていきます。
純広告の「純」という文字ですが、「純粋な広告」からきています。
(ちなみに、広告業界では「純広」(じゅんこう)と略すのが一般的です。)
しばしばリスティング広告やディスプレイ広告などのクリック課金型広告や、アフィリエイト広告などの成果報酬型広告と対比されることが多いです。
ではなぜ純広告は運用型広告やアフィリエイト広告などと比べ「純粋」であるとされているのでしょうか?
その理由は純広告の歴史に深く関係していると考えられます。
純広告が生まれたのは、インターネット元年といわれた1995年の翌年、1996年です。
1996年はYahoo! JAPANがサービスを開始した年でもあり、同年にバナー広告の取り扱いも開始しています。
WEB広告の元祖は純広告ということになります。
当時は現在のように、オークション形式でディスプレイネットワーク上の広告枠を買い広告配信する、といったようなシステムがなかったため、広告主は常に特定の媒体の広告枠を事前に予約して買っていました。
WEB広告の元祖といっても、看板や雑誌の広告枠と同じような扱いで広告枠が販売されていたのです。
提供できる広告枠も限られていますので、広告予算の少ない広告主は導入できる機会はほぼありませんでした。
広告予算少ない広告主に不利である点は、導入後30年経った今もなお、変わらないかもしれませんね。
2000年代に入るとシステムにより瞬時に広告枠のオークションが行われるようになり、入札単価の設定だけで半自動的に広告枠を買えるようになりました。
広告枠がトレーディング(=運用)できるようになったのです。
技術の進歩も伴い、自動入札ツールや広告の品質スコアといった指標が生まれていき、広告枠の売り買いのシステムがどんどん複雑化していきました。
その中で「純粋に広告枠を買うだけ」である予約型広告は「純広告」と呼ばれるようになりました。
WEB広告が多様化する中で、様々な広告形式が生まれていきました。
検索キーワードに連動したリスティング広告、
Cookie情報からユーザーの傾向を読み取る行動ターゲティング、
広告媒体を集約してネットワークを形成したアドネットワーク、
商品リストなどのデータを活用したデータフィード広告、など。
今後も更に様々な広告形式が増えていくことでしょう。
当然、ターゲティング精度も向上していきます。
その中で、WEB広告の元祖である純広告の重要性が薄れていく傾向があります。
しかし、純広告の中でも年齢・性別・地域などのターゲティングができる媒体も増えてきています。
情報収集を徹底した上で、配信目的に沿って広告メニューを選定していくことが大切です。